
「比較」の文法って苦手なんだよね~
なんか紛らわしくない?

そんな君のために、今回はこの二つを解説するよ
・no more than~
・no less than~

ああこれね。
見たことあるけどすぐ忘れるやつ。

じゃあ、この機会に覚えていってね
no more than と no less than 多いのはどっち?
A: Taro got no more than 10,000 yen.
B: Taro got no less than 10,000 yen.

質問です。
AとB、どっちの方が太郎さんは多くのお金を手に入れたでしょうか?

う~ん
more は「より多い」less は「より少ない」
って意味だよね。

そうだね。
でも、今回は否定の意味を持つ no がついているよ

そうか。
じゃあ「「少ない(less)」が否定されているから、多いのはB!

正解は・・「両方同じ」でした!

なにそれ?なんで?

納得いくよう説明していくね。
ちなみに例文の和訳はこんな感じ。
A: Taro got no more than 10,000 yen.(太郎は1万円しか手に入れなかった。)
B: Taro got no less than 10,000 yen.(太郎は一万円も手に入れた。)
A・Bともに手に入れた金額は一万円。差はありません。
違いは「話し手が想定していたより多いか少ないか」という点です。
no =「まったく~ない」

先に no の説明をするね
ここが分かれば、今回の話は99%理解したも同然!
ご存じの通り、noは否定の意味を持つ語です。
さらに詳しく言うと、no more than ~の構文では程度を表す副詞として用いられています。
・no は程度を表す副詞
・形容詞の前において、後ろの形容詞を「まったく~ない」と否定します
※no は副詞だけではなく、名詞・形容詞としても使われることがあります。

「まったく~ない」という話し手の心情が表現されます。
日本語で考えてみましょう。
例えばこのセリフ。
A「わかりません」
B「まったくわかりません」
A・Bともに、伝える内容はほぼ同じですね。
ですが、Bの方が「マジでわからん!!」とう感情が伝わりますね。
「まったく~ない」という表現は「話し手の認識・感情を示唆するもの」と言えます。
no more than の考え方
A:Taro got no more than 10,000yen.
この no は副詞で、形容詞の前において形容詞を否定するんでしたね。
この例文では、後ろに続くmore than を否定します。
つまり、「一万円より多く」が否定されてしまいます。
(一万円より多いと思っていた)⇒一万円より多くない⇒たった一万円
という思考過程で少なさを強調する表現になるわけです。
そのため no more than は only (たった~)に置き換えることもできます。
no less than の考え方
一方のless than も同じように考えられます。
B:Taro got no less than 10,000 yen.
no の後ろに続くless than が否定されます。
つまり「一万円より少ない」が否定されるということ。
(一万円より少ないと思っていた)⇒一万円より少なくない⇒一万円も(手にした)
数・量の多さを強調する表現です。
同じ意味の表現 as much as (~ものたくさんの量)に書き換え可能です。

「比較」って客観的に淡々としてるイメージだったんだけど
「量についてどう思っているか」なんてことも表現できるんだね。
まとめ
今回の記事をまとめるとこうなります。
・no more than = only (たった~) 数の少なさを強調
・no less than = as many as (~も) 数の多さを強調 ※不可算名詞の時はas much as
英語のテキストにもよく書かれていますよね。
結論は変わらないのですが、「なぜこういう意味になるのか」という根本的な部分を理解すると、記憶に残りやすいのではないでしょうか。
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