冠詞ってなんなん?
多くの方が中学・高校と英語を勉強してきたことと思います。
それでも納得できないこんな疑問ありませんか?

冠詞って結局何なん??
日本語には無いから、使う意味わかんないよ
冠詞とは a, an, the の三つ
この記事では冠詞をちょっと身近に感じてもらえるようなお話ができたらと思います。
a, an the の基本

まずは基本的な使い方を確認しよう
a は初めて出てくる語につけます。(aiueoで始まる語につけるときは an にします。)
the は話の中ですでに登場しているものにつけます。

例えばこんな感じ
One day I saw a girl. The girl looked sad and・・(ある日、私は一人の女の子を見かけました。その女の子は悲しそうに見えて・・)

話の中で初登場の時は a girl だったのが、二回目の登場では the girl になっているね。
a girl は「(誰でもいいから一人の)女の子」
the girl は「(さっき話に出てきた、あの)女の子」

例をもう一つ見てみよう
英語で「辞書持ってる?」と聞きたいとき、あなたなら何と言いますか?
A: Do you have a dictionary?
B: Do you have the dictionary?
どちらが正しいでしょうか?
正解は・・どっちでもオッケー!
ただし伝わるニュアンスは微妙に違いますし、状況によっては相手が「???」となることもあります。
Do you have a dictionary? だと「(なんでもいいから何か一冊)辞書持ってる?」という意味に。
Do you have the dictionary? だと「(世の中に辞書は多数あれど、どれでもいいわけではないんだよ。君も勿論分かるはずの )あの辞書持ってる?」という意味になります。

the は、どれのことを指すのか話し相手が分かっていることを前提に使う語なんだ

「ああ、あれのことね」ってお互いに分かっていなければ、「あの辞書ってどの辞書?」ってなっちゃうね。
これは日本語で考えても理解できる感覚だね。
日本語で考える冠詞
AさんがBさんから「あの映画、続編が決まったらしいよ」と突然言われたと仮定しましょう。
特に誤りは無さそうな、自然な日本語です。
しかし、この日本語が伝わるか伝わらないかはAさんとBさんの共通認識次第です。
「二人ともその映画の大ファンで、よくその話をしている」とか「最近一緒にその映画をみた」といった背景があれば伝わる内容でしょう。
しかし、こういった背景がなければ「あの映画って何のこと?」となってしまいますね。
【冠詞】は確かに日本語には無いものです。
ですがその使い分けは、日本語で考えても感覚的に納得いただけるのではないでしょうか。
初登場の語にもthe がつくこともある

これまでのまとめだよ
【初登場の言葉には a をつける】
【二回目の登場では the をつける】
【どれを指すかお互いに分かっているとき the をつける】

それを踏まえて、もう一つ例を見てみよう
同じ部屋にいる人に「窓閉めてくれる?」と頼みたいとき、あなたなら何と言いますか?
A: Can you close the window?
B: Can you close a window?

Aでは the window
Bでは a window になっているね
Bのパターンが実際に使用されるのを見聞きした方はほとんどいないのではないでしょうか。
(もちろん辞書には例として載っています。)
この場合は、会話の中に今まで window という言葉が登場してこなかったとしても the が適切だといえます。
これを a window としてしまうと【どれでもいいから一つ窓を閉めてくれ】という意味になってしまいます。
そうなると【お隣の家に行って、どれか開いている窓を一つ閉めてくる】なんてことも成り立つわけです。
同じ部屋にいる者同士で「窓閉めて」「いいよ」という会話が成立する背景には、【どの窓のことを言っているのかお互いに分かっている】という前提があります。

【どれのことを指しているのか明らか】な場合にも the が使われるということだね。
まとめ
a an は初めて出てきた言葉につける
the はどれを指す言葉なのか明らかなときにつける
冠詞はまずこの基本を押さえておきましょう。
養老孟子先生は自身の著書で「日本語では、助詞が冠詞の働きをしている」といった趣旨の発言をされていました。(確か『自分の壁』だったと記憶しているのですが、定かではありません。)
これを読んだとき「なるほどなあ~」と納得したものです。
(助詞とは「私は」の「は」・「私が」の「が」などに当たるものですね。)
日本語に【冠詞】という品詞はありませんが、実は日本語でも感覚的に理解できる仕組みです。
この記事で、少しでも品詞について「わかった・・かも?」と思ってもらえたらうれしいです。
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